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2015.12.02  Category| すべての記事

靴磨き職人 レぺゼン JAPAN

皆様ごきげんよう、靴磨き日本代表 長谷川丸です。

昨日も靴磨き世界選手権でジョンロブにトライ決めてなんとか強豪国イングランドシューシャイナーズを破りました。

次は昨年の優勝国のフランスパティーナエンジェルズとの対戦です。ベルルッティにトライ決められるよう今から調整入ります。

今回の靴磨き世界選手権での優勝のカギはブラッシングだと思っております。

日本が誇る最高級ブラシ、江戸屋別注のBrift H手植えブラシで世界の強豪を払いのけてやろうと思います。(ブラシなだけに)

 

なんて、冗談はそこそこにして。

最近は僕のブログでの冗談も本気で信じる方がチラホラいて、ちょっとオオカミ少年的になってきそうで心配な今日この頃。

僕の話は半分冗談ですが、半分ド真面目本気の長谷川丸なので、宜しくお願いいたします。

 

さて、という訳で真面目な話に入ります。

 

先日、カナダのドキュメンタリーで「Shiners ~art of shoeshine~」という世界中の靴磨き職人を追いかける90分映像の撮影をしました。

2日間、密着取材でカナダから撮影陣3名&通訳の方がいらしての取材。

なんとそこで、日本の靴磨き職人はわたくし長谷川裕也が取材されることになりました。

まあ一言で言うとまさしく”靴磨き日本代表”という事です。日本をレぺゼンして撮影に挑んだYO!!

カナダクルー5

NY,LONDON,PARIS,AFRICA,SOUTH AMERICA ,and JAPAN…世界中で色々な種類の靴磨き職人を追った”Shiners ~art of shoeshine~”

2017年にフィルムフェスティバルなどに出て、その後に放映になるようなので少し先ですが乞う期待です!

 

あんまり詳しい事はまだ言えないので、少しだけ撮影風景の写真を載せます。

カナダクルー1カナダクルー2

カナダクルー3カナダクルー4

 

という訳で、最近はなんだか靴磨きが流行ってきているな~とヒシヒシと感じております。

僕の靴磨きを初めて12年前くらいには、いわゆる高級ホテルの中、空港、駅前の路上、店舗で言うと”ローマの靴磨き”という女性が靴磨き提供するお店が品川プリンスホテルと大手町のサンケイビルの広場にあったくらいで、今みたいな靴磨き専門店なんて全然ありませんでした。

それが今や、東京中、大阪、名古屋、神戸、福岡、静岡、横須賀にまで!日本中に靴磨き店が増えています。

お客様から聞いた話で存じ上げているだけのお店もあるので、はっきりした数は分かりませんが、店舗を構えず自宅で行っている靴磨き職人や、洋服屋などの店舗で出張型で行っている靴磨き職人を含めると相当の数になるのではないでしょうか?

 

そこで、僕がいま”熱い!”と思っている靴磨き店を挙げてみたいと思います。

 

 

1、有機溶剤の魔術師 ”千葉スペシャル” (東京有楽町 交通会館前)

千葉スペシャル

もう既にご存知の方も多いですよね、テレビでもよく取り上げられており毎日ものすごい行列が出来ています。

僕もかなり昔、まだアパレルにいた時に近所で勤めていたのでよく磨きに行きました。そして唯一「靴磨きを教えて下さい。」とお願いし一日千葉さんの横でずっと靴磨きを見て千葉スペシャルの方法も教えてもらいました。

何が凄いって、5分たらずでピッカピカにしてしまうスピードが半端ないです。特性のクリーム(ワックス)を有機溶剤で溶かしながら塗布する方法は他の靴磨き職人と全く違うアプローチでした。その方法がどうしても知りたくて一日弟子入りしたのです。とにかく光らせるスピードが半端ないです。革に良いかはノーコメントです。

2、大阪の超新星 ”TWTG shoeshine” (大阪心斎橋、船場ビルディング)

twtg

今年の9月にOPENしたばかりのめちゃオシャレな靴磨き店です。保存文化財になっているビルにピッタリなおしゃれな内装。オーナーの石見さんもオシャレで中性的でアートな靴磨き職人さんです。技術ももちろんの事、丁寧に磨き上げられた靴はきめ細かい石見さんの人柄がよく出ています。

主に企業出張などをメインで3年ほど活動され、満を持しての店舗OPENという事で開店直後からお客様がひっきりなしのようです。

大阪でオシャレに靴を磨くのであればここですね!

 

3、ナニワのど根性職人 ”靴磨き処 ダンディズム”(大阪梅田、吉野家の上)

ダンディズム

前にもこのブログでご紹介しましたダンディズム。オーナーの宮田さんは梅田駅前で路上靴磨きを2年くらいやっていた強者で、その明るい人柄とは裏腹にかなり理系で理屈、うんちくたっぷりな靴磨き研究を重ねて靴磨きをしています。

僕も一度しか伺ったことがありませんが、その研究熱心ぶりはとても刺激を受けました。大阪では先駆け的な靴磨き職人なので、これからどのように展開していくのが楽しみです。僕も路上上がりという事で応援しております。

4、新時代の靴磨きアイドル ”靴磨きSTAND GAKU PLUS”(名古屋)

GAKU

正しく新時代の靴磨き職人の筆頭でしょう!佐藤我久さんです。当店にも何度か磨きに来てくれて、その時にお会いしただけですがとにかく明るく爽やかな好青年!フェイスブックなどSNSを上手に活用し、大学生ながら路上で靴磨きをしながら全国を行脚し、最近はクラウドファイディングで資金を集め、とうとう自分のお店を名古屋に出しました。まだ磨いてもらったことがないので技術的な事は分かりませんが、とにかく人柄が良く、根暗な性格が多い靴磨き職人の中で眩しいキラキラした光を放っております。ぜひとも靴磨きアイドルとしての路線も考えて欲しいと勝手に思っています。

5、シンガポール代表 ”MASON&SMITH”(シンガポール) 

mason&smith

レぺゼンSINGPORE!!オーナーのCHANさんが運営するMAISON&SMITH.2013年に僕も靴磨きをしに行ったKEVIN SEAHというビスポークテーラー(オーダースーツ屋)の中でOPENしたシンガポールの靴磨き店です。世界中の金持ちが集まる国とあってかかなり商売も順調のようで、来週も10日間ほど東京と京都でバケーションのようです。羨ましい!日本に来るたびに当店にも磨きにいらっしゃるのですが、まだ20代中盤の明るく楽しいイケメンです。靴磨き店を初めた理由を聞いた所、徴兵が終わり靴磨き屋をマリーナベイサンズでやっていたところ、KEVINに口説かれお店を構える事になったようです。シンガポールマリナーズとして強豪になること間違いなしです!

 

その他にも沢山靴磨き店、職人はいるのですが書き過ぎると長くなってしまうので今日はこの辺で終わりにしておきます。

 

我々Brift Hも靴磨きの長い歴史からすると新参者。

つい先日、東京駅丸の内北口駅前にいらっしゃる靴磨き職人さんに磨いて頂いたら、その方は52年間、同じ場所でずっと靴磨きを営業されているとの事でした。

「俺が日本一長くやっている靴磨き屋だよ。一度も場所が変わっていないのが俺の誇りだね。」とおしゃっていました。

図々しくも僕も靴磨き屋をやっているという話をしたら名刺をくださり、「頑張ってね。」と激励して頂きました、心の広さに感動です。

 

まだまだ靴磨きの文化が根付いていない日本。

革靴は使い捨てだと思っている人の多いこと多いこと。

朝、歯磨きしてから出掛けるように、靴磨きをしてから出掛ける。

もっと道行く人、電車で座っている足元が輝いていれば世の中は明るくなる。

もっともっと靴磨き屋が増えて、靴磨き職人の職業としての地位も確立されるような時代を作るために、今日も僕は靴を磨きます。

 

レッツトライ!!

 

靴磨き日本代表 長谷川裕也

written by

Brift H