BLOG
2016.09.02 Category| すべての記事
防水性実験!!
久しぶりの登場です。 北見です。
イベントなどがあった関係で、いつもの順番とは違った流れになっております。
さて久々の「輝け!科学君」(って何度も久々って言っている気が…)
今回は防水性の実験です。
今年は台風の当たり年らしいですね。8月に台風が3つも来るのはかなり珍しいことだとか。
雨の中で靴を履くのは憂鬱ですよね。
では実際に雨でも大丈夫なケアって何なの?ということで、ヌメ革に色々と施してテストしてみました。
テストした内容は
①乳化性クリームのみ
②ポリッシュ
③スエード/ヌバック用スプレー
④防水スプレー
⑤ラッカー
いくつか説明をしますと
①はもうご存知ですね、革に栄養を与えただけの状態です。
②は①からワックスを用いてのポリッシュで当店での鏡面仕上げを施すのと同じ状態です。
③はスエードやヌバック用に市販されているスプレーで、アーモンドオイルなどを用いて革に栄養を与えつつ、防水と補色も行うスプレーです。
④はアメダスですとかスコッチガードの様に防水のみを行うスプレーです。
⑤、ラッカーってなんのこと?これはよくわからないですよね?これはラッカー系のクリア塗装で、ゆうなればガラス革と同じような状態にしているということです。
まずはそれぞれ塗っていきます。
左側にある革は何もしていないものです。比較用に並べています。
ここで5分ほど放置して、ヌメ革がどのようになるか見てみました。
ポリッシュは5分位じゃ勿論なにも変わりません。ツヤツヤです。
ラッカーも少し濃さが残る感じです。それと少しシミができました。
さてすべての準備が整ったところで水滴を加えていきます。
わかり易いように革の真ん中に一滴づつのせました。
まずは一分経過。
更に10分経過。
スエードスプレーもクリームほどでは無いにしろ染みが広がっています。
意外なような意外ではないような…
ワックスってこんなにシミになりましたっけ???
ちょっと言い訳をさせてもらいますと、小さな革きれを磨くのは意外に難しいんですよ。
ヌメだとシミにならないように磨くにはさらに難しくなります。
ということで、ちょっとズルいような気がしますが、実際にポリッシュした靴で参考実験!!
鏡面仕上げをした靴に水滴をのせて…
10分経過。
よーく見てみるとちょこっと染みているかな?程度の跡が見えましたが、写真ではほぼ変わらず。
しっかりとワックスをのせてポリッシュすると防水効果がかなり高いことが分かります。
いずれは、ポリッシュした靴で表参道駅とBrift Hの間を雨天時に歩くとどうなるか?という実験でポリッシュと雨の関係をもう少し深く掘り下げたいですね。
ってここで終わっちゃうと雨には防水スプレーかラッカーが最高!ってことになるのですが、これらには意外な落とし穴があります。
まずは鏡面仕上げをした靴に防水スプレーをすると… 鏡面が曇ります。
艶がかなり落ちるので、鏡面仕上げと防水スプレーの相性はよくありません。
そしてラッカーの場合、「防水効果が高い=何も染み込まない」です。
ラッカーを吹いた後に乳化性のクリームを入れてみても まったく濃くなりません。
つまり革に栄養が浸透していないということです。 なので、防水効果を高めたいからと言ってむやみにクリア塗装をするのも考えものです。
やはり雨が降りそうな時は大事な靴は履かずにガラス革などの雨用の靴が良いという、当たり前といえば当たり前すぎる結論となってしまいました。
でも色々と実験してみると、分かっているようで実は初めて経験したともいえることができて、とても為になりますね。
もし何か、靴や革で知りたいことがあったら、是非リクエストを下さい
written by brift-h