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2015.04.07  Category| すべての記事

輝け!!科学くん  確か第三回だったはず

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桜も咲いて春ですね~と言いつつも、本日の東京は最高気温が13℃。それも未明に記録したとのことで、昼間は一日寒い状態でした。皆さんはお花見をしましたか?先日の風と今日の寒さで桜もどんどん葉桜になってしまってますよね。

さて、本日のネタ。久々の「 輝け!!科学くん  確か第三回だったはず」はちょこっと輝きの話から外れて進めていきます。

カウンターで磨いていて、よく「いい靴ってどのブランドのモノですか?」という質問をされることがあります。靴のブランドはもう多岐に渡っていて、いったいどこのブランドが良いのやら?どの靴を買うとよいのやら?とても迷いますよね。最近はどんどん値段も上がっていますし。

極端な話、ある程度の値段から上はどのブランドも悪いものはあまりありません。

ま、ファッションブランドですとネームバリューでセメンテッド製法なのに高いなんてものもありますが…

基本的には靴専業のブランドであれば、どこも真面目にしっかりと靴を作っているの、であまり良くない靴っていうのはありません。

じゃぁなんであんなに値段が違うのか?どこも真面目に作っているのに何で二倍も三倍も値段に差があるのか?

戦略的な値付け(あのブランドがいくらだから、うちもこれくらいにしよう。安いとブランドバリューが下がるので、高めにしようetc.)ってこともありますが、値段に差が出る理由は①作る手間②革の取り方、そして③革質があると思われます。

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①作る手間っていうのはすぐわかりますよね。手の込んだ作りであれば作業に時間がかかるので、自ずと値段は上がります。なので凝った作りの靴ほど値段は高いです。手間とはちょっと違いますが人件費という点ですと、作る国っていうのも同じく値段に関わってきますね。人件費の安い国で作れば、同じクォリティのもので比較するとより安く作れます。ここら辺は靴だろうと何だろうと全て同じ理屈ですよね。

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では②革の取り方っていうのは?

靴って、というか革って元々は動物の皮膚ですよね。牛が大半を占めますが、動物であれば擦り傷、切り傷、虫刺され、さらに皺など。一から工場で作っている訳ではないので、どうしても生きていた時の痕跡が残っています。その中から使える部分を靴の型紙に沿ってカットしていくのですが、本当に厳選してカットしていくブランドもあればそうでないブランドもあります。

厳選してカットすると、どうしても使えない部分が多く出てしまいます。一枚の革から作れる靴の足数は少なくなりますよね。そこまで厳選しなければ・・・一枚の革からはより沢山の靴が作れます。つまり仕入れた革の量に対して仕上がる靴の量が違えばやはり値段は変わってきます。

これはブランドとしてどちらが良い悪いという訳ではなく、考え方の違いです。「値段が高くなっても最高のクォリティのものを」という考えもあれば、「使えない無駄が出るのはもったいない」といったところですね。

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最後の③革質、聞きますよね、革質がいいとか悪いとか。

んじゃ、革質がいいってどういうことなの?

基本的には柔らかく、キメが細かいほど革質がいいと言われます。靴好きであればカーフって言葉をよく聞くと思いますが、カーフとは生後六か月以内の仔牛の皮から作られた革のことです。仔牛なので柔らかくキメが細かく、触ると指が吸い付くかのようです。ですが、仔牛なので希少です。肌触りがよくて手に入りにくいとなれば値段は高くなりますよね。牛が成長するに従って革のキメも荒くなり、面積も増えるのでこちらはカーフに比べれば安くなります。

実は革質であれば皆さんにもある程度見分けがつけるようになると思います。

え、靴磨き職人みたいに沢山の靴を触らないと分からないんじゃないの?って思われ方も多いと思います。確かにぼくたちは毎日沢山の靴に触れているのでアドバンテージがありますが、皆さんの手元にも、いえ足元にもいい教材があるじゃないですか!!

一足だけだと分かりにくいと思いますが、何足か続けて靴の甲の部分を触ってみて下さい。「すべすべで気持ちいいな」とか「なんかちょっとざらざらするな」とか小さな差かもしれませんが同じものはないと思います。「高い値段だったのに、あれ?」ですとか「安かったけど、なかなかいいかも」っていう靴もあるかもしれません。同じブランドであれば通常ラインと高級ラインで必ず差があったりもします。

次に靴を購入するときには自分の持っている良い革質の靴を履いて行って、欲しい靴と触り比べてみてもいいかもしれません。

但し、ディスプレイされている靴も売り物ですのでべたべたと触ることは厳禁です。そして、つま先部分をつかんで持つのも厳禁ですよ。靴は両手でやさしく持ってあげて下さい。

以上「輝け!!科学くん  確か第三回だったはず」でした。
またまた文章だけのブログにここまで付き合って頂き、ありがとうございました。

written by

Brift H