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2015.09.02 Category| すべての記事
靴磨き 質問あれこれ
猛暑日が続き、熱帯夜が続き…と思っていたら、ここ最近は連日の雨。
気温も下がって夏の気配はほぼなくなってしまいましたね。
という訳で、季節の変わり目には必ず風邪をひくようになってしまった北見です。歳かな…。
今回は今まで意外にあまりなかった靴磨きのコツとか、
カウンターでお客様から磨きに対しての質問等をQA方式でまとめてみます。
あ~そういえばこんなこと話たなーと思い出しながら読んで下さい。
早速開始。
Q.靴の御手入れって、どの位の頻度でやればいいんですか?
履く度に磨いた方がいいんですか?
A.履いて帰ってきたら、埃を落とすだけで大丈夫です。履く度毎に磨く必要はありません。
一週間に1,2回履くのであれば1,2ヶ月に一度くらいが目安です。
あまり履かない場合はもっと長くても可。但し、久し振りに履くのであれば、
その前にお手入れをしてあげた方が良いですね。
なので、夏の間に出番が少なかった靴を秋になって履くのであれば、一度しっかりとクリームは入れてあげた方が良いです。
Q.クリーナーって使って良いんですか?
クリーナーは革を痛めるって聞いたんですが?
A.僕らはクリーナーを使った方が良いと考えます。
それはなぜか?
CREAMやWAXはいずれ酸化していきます。
定期的にお手入れをする中でそれらは一度落としてあげた方新たなCREAMの栄養が浸透し易いからです。
洗顔をせずにお化粧をする方はいらっしゃらないと思います。やっぱり一度スッピンにしてあげないと!
但し使い方はちょこっと注意です。一か所を念入りにこするとやはり革を痛めてしまいます。
クリーナーの使い方の基本はさっと拭く。
気になる箇所がある場合はそれを繰り返すこと。艶が無くなってくれればほぼOKです。
Q.コバってヤスるんですね?
ヤスる時はどれくらいの粗さの物を使うんですか?
A.ご自宅でお手入れする場合は特にヤスらなくてもいいかと思います。
ちょっと色が剥げたくらいならCREAMで補色も可。
ヤスる場合は紙やすりは150番くらいのものを。そしてその後にはコバインクで補色が必要ですね。
コバに少し水を付けて水研ぎしてあげると驚くくらいツルツルになりますよ。
マッケイ製法の靴ですと失敗してアッパーにコバインクが付いてしまう恐れがありますが、
コバの張っているグッドイヤー製法ならばあまり失敗もないと思います。
A.それが一番馴染みやすいからなんです。
ただどうしても指に色が移ってしまうので、CREAM付けブラシでも良いと思います。
Q.CREAMを塗った後は時間をあけてブラッシングした方が良いのですか?
豚毛ブラシの力加減が分かりません。
そんなに力を入れて靴は傷つかないんですか?
A.CREAMは革に載せたいのではなく、浸透させて栄養を行き渡らせたい為に使います。
ただそのまま放置しても浸透する前にクリームが乾いてしまいます。
なので靴全体に満遍なくCREAMを塗ったらすぐに豚毛ブラッシング!!
この時には思いっきり力を入れてしっかりと革の中にCREAMを浸透させてあげて下さい。
めくれキズがある場合以外はキズが広がる可能性があるのでその付近は弱めに。
基本的には豚毛ブラシでは革にキズが付く事はありません。
そしてブラッシングが終わったら革に残った余計なCREAMは拭き取る事。
Q.どうすれば光りますか?
中々光らないんですが…
waxは何回くらいのせればいいんですか?
waxってそんなに使うんですか?
A.ポイントその1.爪先と踵の鏡面仕上げをしたい場所にはまず指でwaxを塗りましょう
こうする事でwaxの下地を作ってその後のポリッシュの際の水か染み込む失敗の可能性が小さくなります。
ポイントその2.靴は一周かけて磨いていきましょう
踵 ☞ 横 ☞ 爪先 ☞ 反対側の横 ☞ 踵 ☞・・・
一か所だけを集中的に磨いても中々光りません。一度塗ったwaxを乾かす感じで次々と
位置を変えて磨いて行ってみて下さい。
ポイントその3.光るまでひたすらwaxと水の繰り返しです。
一度、うちの職人がカウントして見たら一足で80回くらいwaxと水を取って繰り返していたとか。
革の凸凹をwaxで埋めながら表面を平らに均す事で鏡面になっていきます。
従ってwaxが少ないと鏡面のツヤは出てきません。
ちょっと荒い革かなと思ったらポイント1.の指塗りを何回か繰り返し、
それだけちょっと艶が出る位まで縫ってみて下さい。
水の量は要注意です。まずはwaxの塗りムラがあってもいいので水は少な目で。
この水とwaxの量とタイミングは中々言葉では伝えられません。
申し訳ない…。
もし万が一、「ある程度光っているのに一か所だけ全然光らない」となった場合には
磨きをストップです。
革に水が浸透してwaxが定着しない状態になっています。
一時間位放置して、革が乾いてからポイント1.から再度やり直して下さい。
ざっとまとめてみましたが、皆さんきっとまだまだ聞きたい事があるのでしょうね。
カウンターで磨く際は目の前でワンステップ毎に説明をしながら磨きますので、これを聞きたい!あれが分からない!と言う方は是非磨きにいらっしゃって下さい。
お電話にて予約をお願いします!!
written by brift-h