こんにちは!小林です。
毎日暑いのでカレーばっかり食べています。
さてさて本日のブログは、イタリア研修話 最終回です。
長々とお付き合い頂きましたが、最終回は革のなめし工場見学のお話です。
フィレンツェから電車で1時間ちょっとの所に、革のなめし工場地帯があります。
工場は一軒家のような小さいものから、今回私達が見学させて頂いた大きな工場まで、たーくさんの工場があります。
私達が訪問させて頂いたのはVolpiさんという一家が営む大きな工場。
オーナーさんに色々なお話を聞かせて頂きながら、工場を案内して頂きました。
まずは部屋でお話タイム。
この一帯の工場のお話や、革のなめしの歴史などなど。
ちなみにこちらの工場では化学的なクロムなめしではなく、植物の成分を使うタンニンなめし を行なっています。
色々なお話をお聞きしましたが、興味深ったのは、環境へほとんど負荷をかけていないというお話。
革をなめす工程で大量の水を使うのですが、使用後の水は川に流す前に徹底的にきれいにするそうで、最終的に塩しか残らないそうです。
そして最終的な排水の成分は、工場地帯の横を流れている川の水よりきれいだそうですよ。すごいですよね。
イタリア政府も多額の出資をして工場の方々と共同でそのような設備を作り、環境問題にしっかり取り組んでいるそうです。
ではでは、早速工場の中へ。
まずは各国から集まった原皮たち。
原皮は塩漬けや毛を剥いだ状態だったり、様々な状態で届きます。
出荷する際の原皮の状態が、各国で法律で決まっているそうです。
原皮を裁断したり、積み重ねている職人さん達。
革は革を取る為に牛などを育てている訳ではなく、お肉を頂いたりした後の副産物。
それ故に傷ついていた場合の革の取り方など、難しそうです。
大量の革が保管されています。
ちなみに寒い国の革はきめ細かいため、北米の革は最高級と言われているそうです。
奥に見えるドラムは、革を裁断した後に革を洗うドラムです。
このドラムはたくさんあって、ドラムがウィンウィン回転しています。ちょっと危険です。
これは何でしょうか?
この茶色い液体は植物(栗の木などののな)なめしのピット(水槽)です。
植物の?酸っぱい臭いがしました。このピットに革を何日間か革を浸けます。
隣のピットに移動中。何段階かのピッ浸けられます。
なめし終わった後はしなやかさや柔らかさを出す為に、革に油脂を塗ります。
昔は魚の脂を使っていたそうですが、匂いがきつい為、今は独自にブレンドしたものを使っているそうです。
見るからに油脂!という感じの脂。
この後革を干します。(もう洗濯もののようにずらっと干します)
いきなりですが、干した革を触る私たち。
お次は、何の機械でしょう?
革のプレス機です。
干した後の革を、この機械で厚さを1枚1枚整えています。地道な作業です。
できあがった革。
オーナーさんが「揉むとすんごく柔らかくなる」を実演中。
Volpi家の工場で作られる革のサンプル室。ずらっと!
各革についての薀蓄をあれこれお聞きしました。
真剣な長谷川。北見さん、寝てる?(笑)
そして、ここからはいよいよ靴らしい場面が出てきました。
これは革から靴のソールを取っている所です。
人間が一つ一つ型押しして切り取るやり方もあれば、機械が複雑な曲線を描いて切り取るやり方も。
実は機械より人間の方が、1枚の革からたくさんの型が取れるそうですよ。意外でした!
様々な種類のソールの型がありました。
これはほんの一部分ですが、この5倍位はあったかも・・。並べ方は結構てきとうでした(笑)
そしてできあがったソール達。各ブランドに旅立っていきます。
かなりざっくりですが、こんな流れでした。
革が作られている背景や、工程、できあがってからのお手入れなど、合皮との比較、
革の種類によっても違いますし、一言では表現できない位、奥深いものでした。
当然、素材の多くが革である靴磨きも奥が深いわけで・・・。
もっともっと学びます。
長らくイタリア話にお付き合い頂き、ありがとうございました。
よく学び、よく食べ、よく磨いたイタリア研修でした。
その間お休みを頂き、皆様にはご迷惑をお掛けいたしましたが、この経験を活かしてさらに精進してまいります!
ではでは、Arrivederci!